「あなたの人生を変えた本覚えていますか?」
初めて読んだときにワクワクした本、時間を置いて読み返したことで魅力を再発見した本。今はもう読んでいないけれど、深く読み込んだ1冊。
忙しく目の前のことに追われている毎日。SNSを筆頭にネットの普及によりゆっくり本を読む経験が少なくなっている人も少なくないでしょう。
いっぱいに本が並んでいる本棚を見ながら「昔はあんなに本を読んでいたのに…」と感じる人もいると思います。または、書店に行く機会が減って電子書籍でコミックを買っているけれど、どこか物足りなさを感じる人もいるでしょう。
人生を変えた本。そう言われると難しく考えてしまう人も多いと思います。僕もこれ!と決まった本があるわけではないのですが、このきっかけをくれたのはこの本だな。これを読んだから自分の人生が少しだけ変わったかもしれないな。という本には出会ってきました。
今回は、僕を変えた3冊の本というテーマについて書いていこうと思います。
読書沼に僕を連れてきた1冊(マジック・ツリーハウス シリーズ)
最初の1冊はKADOKAWAから刊行されているメアリー・ポープ・オズボーン著『マジック・ツリーハウス』シリーズ。「1冊」といいながら最初からシリーズものの登場です。

このシリーズはアメリカの児童文学が原作の小説で、日本語訳されたものがKADOKAWAから刊行されています。今回記事を書くために調べ直したところ、アメリカでは1992年から発行されているそう。
すきな本をひらいて、「ここへ行きたい!」って言うだけで、たちまち本のなかの世界につれていってくれる、ふしぎなツリーハウス。ある日、ジャックとアニーのきょうだいは、このツリーハウスで、恐竜の時代へまよいこんでしまった。そこでふたりは、トリケラトプスと仲よくなったり、ティラノサウルスに追いかけられたり、ハラハラどきどきの大冒険がはじまった――!
(KADOKAWA マジック・ツリーハウス1恐竜の谷の大冒険 より引用)
この本に出会ったのは小学生のときで、親が買ってくれたことがきっかけでした。紹介するには少し雑な気がしますが、暇つぶしのような感覚で買ってもらったような記憶があります。
初めて読んでからもう10数年は経っているので細部までは覚えていないのですが、間違いなく言えることは、この本に出会っていなければ今の僕はなかったんじゃないか。ということです。
作者の意図もあるのでしょう。最初の話で恐竜を持ってきて、次の話では中世の世界へ。シリーズそのものが時と場所が交差したハイファンタジーで興味を持ったこと、読んでいく中で描かれている非日常感や作中世界に対する知の好奇心からだんだんとこのシリーズの虜になっていきました。
ちょっとした余談ですが、マジック・ツリーハウスは2012年に兄ジャック役を北川景子さん、妹アニー役を芦田愛菜さんが演じてアニメーション映画化もされています。数年後にCSで放送されたときに見て、映画館で見に行けばよかったなと思ったような。
小学校を卒業する少し前に当時通っていたスポーツチームと別で選抜チームの活動があったりと、忙しくなったことをきっかけに離れてしまったのですが、おそらく32巻あたりまでは読んだことがあるような記憶があります。
児童文学ですが原典は英語なので、機会を作って原文で読み返せたらなと思う1冊です。
当たり前とはなにか。考え直すきっかけをくれた1冊(青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない)
人生何があるのか、わからないのが世の常ではあるのですが。
2冊目はKADOKAWA 電撃文庫から刊行されている『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』(鴨志田一著)です。青春ブタ野郎シリーズ、通称青ブタとも呼ばれるシリーズの5冊目です。

えーと。これもシリーズ物です。そして、ライトノベルです。苦手な方すみません。ただ、この1冊は外すことができないので上げました。大げさに言えば人生観を変えるきっかけになった1冊、シリーズです。
僕を含めた大部分の人は、小学校、中学校、高校、人によっては専門学校や大学を経て社会人になるルートを選ぶ人が多いのかなと思います。いわゆる普通の選択。普通に高校に行って、(僕の場合は程々の進学校だったこともあり)普通に進学して、その先で就職するのが普通の人生だと思っていました。
実際に僕は高校卒業とともに大学に進学して、留年とかもすることなく社会に出てこれた社会的に見たら普通の人なんだと思います。
その過程で不登校を経験したり、全日制ではなく定時制や通信制の学校を選択する、そうせざるを得ない人もいるのが現実で、僕が仲良くしている人たちの中にもそういう人はいます。
じゃあ彼ら彼女たちが普通じゃないのか、と言われたら。別にそんなことないと僕は言い切れる。仲のいい人だからそう感じたのかもしれない。けれども、特別仲がいいわけでもない人にも定時制だからとか普通と違う選択だからって理由で最初から距離を作ることがなくなったのはこの作品のおかげなのかなって思います。
当たり前ってなんでしょうね。ってたまに考えてしまいます。深く考えるときもあれば、よくわからないや!って簡単に考えることを放棄することもあります。
自分語りが膨らみ過ぎました。このへんはまた1つのテーマにできそうなくらい話したいことなのでまた別の機会に。
青春ブタ野郎シリーズはいい意味で、当たり前を疑うきっかけをくれる作品です。
現代を舞台に描かれるちょっと不思議な少年少女の物語。彼らを襲う事象はその人が抱える悩みの具現化。携帯を持たない主人公、視認されない元国民的アイドル、自分の思いをはっきり言えない後輩etc…
2018年にテレビアニメ化、以降アニメーション映画でシリーズをメディア化していき、昨年最終15巻が発売。原作シリーズに幕をおろしたが続編のアニメ化も決定していてしばらくは話題が続きそう。
現代に生きる人として考えさせられること、学ぶことの多いシリーズだ。ライトノベルと避けずに読んでくれる人が増えてくれたら嬉しいです。
小説が自由なんだ、と認識した1冊(化物語上)
一般に小説と聞いてイメージするものは説明口調で書かれた地の文と会話文で構成された作品が思い浮かぶ人が多いと思います。
その常識を覆し、小説は自由なんだと認識した1冊を最後に紹介していきます。またしても1冊ではないと勘のいい人は気がついたかもしれませんね。
最後の僕を変えた1冊は講談社BOXから刊行されている『化物語上』(西尾維新著)です。

僕は「<物語>シリーズ」で西尾維新を知ったので、これが僕を変えた1冊に上げたいと思う。それ以前の作品でも同じ傾向があるという反論があるかもしれないが、まだ読めていないのでそこには目を瞑ってほしい。
アニメ化もしている<物語>シリーズの特徴を一言でまとめると、全編語り口調と会話文ということだろう。語り手が朗読をしているかのように書かれているこの作品は文章を読むのに詰まることが少なく感じます。
小説に正解はない。多くの作品を読んで、ときに書いてきたから言えることだけれども、これほどにもいい意味で飛んだ作品を初めて読んだとき衝撃を受けたことは覚えています。
「映像化不可能」そう言われるほどに描写が少なく、語り口調が多い。小説の限界に挑むようなこの作品は今でも読み始めると時間を忘れてしまいます。
小説の限界に挑むで思い出したのが「りぽぐら!」。同じ小説を特定の文字を使わないで書くシリーズで、全3作品を3つの段階、ルールに従って書いた小説です。興味があったらぜひ読んでみてください。
意図しないところで西尾維新作品に触れていた例があったので1つ紹介。日本テレビ系列で放送されていたドラマ「掟上今日子の備忘録」も西尾維新の小説が原作だと後から知りました。<物語>シリーズとともに今も刊行が続いているのでいつか追いつきたいなと思っているところです。合わせて残り20冊?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
僕の人生を変えた3冊は
- マジック・ツリーハウス
- 青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない
- 化物語上
でした。
皆さんも人生を変えた1冊ありましたでしょうか?
情報にあふれる昨今、たまにはゆっくり自分の原点に振り返ってみてもいいのではないでしょうか。
それでは、また別の記事で。
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